亀頭包皮炎について|原因・症状・検査・治療など
2024.2.15
※お知らせ 東京都の梅毒感染防止に向けた検査 実施中
亀頭包皮炎とは?
亀頭包皮炎は亀頭や包皮に炎症が生じるもので、男性特有の病気です。
亀頭や包皮の細胞の死がいや皮脂、尿などが溜まったものを恥垢といいます。この恥垢をエサに細菌やカビが繁殖し、皮膚に感染することによって炎症が起きます。
とくに包茎だと、包皮と亀頭の間がジメジメしやすく、恥垢が溜まりやすいことから、亀頭包皮炎を起こしやすくなります。
炎症が起こると亀頭や包皮が赤く腫れたり、痛みやかゆみが現れたりします。
感染した細菌やカビ(真菌)の種類によっては、排尿痛や膿、強い臭いが出ることも。
亀頭包皮炎は治りづらく、放置したまま悪化するとただれることもあるので、病院で治療すべきです。受診する診療科目は泌尿器科、皮膚科、耳鼻科ですが、症状や部位によって変わります。性感染症については性病科のような性病の専門科の方が精通しているといえます。
症状
菌の種類によって症状は異なります。
細菌性の症状
亀頭や包皮が赤く腫れます。腫れは斑点状になることもあります。黄色の膿が出るのも特徴です。カンジダ性に比べ、赤みや腫れが強く、ただれがひどくなります。
カンジダ性(真菌)の症状
亀頭のカサつき、ただれ、ふやけなど。赤く腫れたり、皮が剥けることもあります。かゆみや痛みを伴い、白色や黄色のカスが出るのが特徴。尿道炎を起こすこともあります。
原因
亀頭包皮炎は原因により、大きく2つに分けられます。
1つはブドウ球菌や大腸菌といった細菌によるもの。
2つ目は真菌(カビ)によるもの。カンジダ菌というカビの一種です。
このほか、亀頭包皮炎ではありませんが、一部のウイルスによって、亀頭包皮炎とよく似た症状が現れることもあります。
また、細菌性やカンジダ性の混合感染もあります。いずれにせよ原因を特定しないと、市販薬でいくら治療しても治りません。原因を特定するために、まずは病院に受診しましょう。
- 細菌性の亀頭包皮炎
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亀頭包皮炎の80~90%は細菌性です。炎症を引き起こすのは黄色ブドウ球菌、大腸菌、レンサ球菌といった常在菌や、淋菌のように外から入り込んでくる細菌。
常在菌は、普段は害になりませんが、免疫力が低下すると異常繁殖し、炎症の原因になります。原因菌は1種類とは限らず、カンジダ性亀頭包皮炎を併発することも少なくありません。
- カンジダ(真菌)性の亀頭包皮炎
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カンジダ菌という真菌(カビ)が原因です。カンジダ菌は常在菌で皮膚や口、腸などにいる人も多くいます。菌がいると必ず発症するわけではなく、免疫力の低下などをきっかけに、異常繁殖することで炎症が生じます。
カンジダ性の亀頭包皮炎は確率としては少ないのですが、一度発症すると治りにくく、病院での治療が必要になります。
- その他のウイルス
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厳密には亀頭包皮炎ではないですが、ウイルス感染によって、似たような症状が現れることがあります。
例えば単純ヘルペスウイルスに感染し、性器ヘルペスを発症した場合です。亀頭や包皮が炎症を起こし、ヘルペス特有の水ぶくれが現れます。また、ヒトパピローマウイルスに感染し、尖圭コンジローマになると、亀頭や包皮に尖った小さなイボが多数発生します。
これらは性感染症でパートナーにうつしやすく、治りにくい病気。病院での治療が必要になります。
検査と検査費用
原因菌に合わせて治療しないと効果は期待できませんので、まずは検査で原因菌を調べます。
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- 病院での検査方法
- 視診や問診で判断する場合もありますが、原因菌を特定するために培養検査や尿検査を行います。
培養検査では、亀頭や包皮の粘膜から綿棒で検体を採り、菌の有無や菌種を調べます。専用設備で、一定量になるまで培養しなければならないため、結果が出るまで少し時間がかかります。
尿検査では、出始めの尿を採って、菌の有無を確認します。
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治療
治療方法は、原因菌と炎症の程度により判断します。
主に塗り薬を使い、治るまでの期間は通常1週間程度です。
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- 細菌性の治療
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抗生物質の塗り薬を使用します。炎症を抑えるためにステロイドを混ぜることも。ただれや亀裂など、症状がひどい場合は、抗生物質の飲み薬を併用することもあります。
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- カンジダ(真菌)性の治療
- 抗真菌薬の塗り薬を使用します。炎症を抑えるために、ステロイドを混ぜることも。
真菌性とカンジダ性が混合している場合、菌種にあわせて飲み薬を併用することもあります。
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- 治療期間
- 処方された薬を1日2回程度塗ると、1週間程度で治るケースが多いです。ただし、炎症がひどかったり、免疫力が低下していたりすると、治癒までに時間がかかることもあります。
また、カンジダ性は菌の除去に時間がかかり治りにくいため、継続的な治療が必要になります。
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- 市販薬の使用について
- 原因菌によって効果のある薬は異なりますので、ドラッグストア等で市販薬を購入する場合は、薬剤師に相談しましょう。
ただし、抗生物質は医師の処方が必要で、市販薬では手に入りません。まずは病院を受診するのが治療の基本です。
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亀頭包皮炎の注意点
ここでは亀頭包皮炎になりやすい人や習慣について解説します。症状の悪化を防ぐためにもポイントをおさえておきましょう。
- 洗いすぎは×
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実は洗い過ぎもNGです。亀頭は薄い皮膜で覆われたデリケートな部位。ゴシゴシと強く洗い過ぎると粘膜が傷つき、炎症を悪化させてしまうことがあるのです。
また、ボディソープにも注意。ボディソープは皮膚を洗うためのもので、亀頭の粘膜には刺激が強すぎます。必要な皮脂まで取り除いてしまうため亀頭の皮膚が乾燥し、表面に小さな傷ができて炎症を起こしやすくなります。
刺激しないように、ぬるめのお湯で、汚れや垢を優しく洗い流すように心がけましょう。
- 性行為
- 性行為が亀頭包皮炎の感染経路になることもあります。例えば、カンジダ菌は女性に多い常在菌。免疫力が低下しているときに、カンジダ膣炎にかかっている女性と性行為を行うと、感染リスクが高くなります。
- マスターベーション
- 手には、黄色ブドウ球菌、大腸菌、カンジダ菌など、さまざまな雑菌が付着しています。また手だけでなく、雑菌は空間のあちこちに存在しています。できるだけ清潔な環境で行いましょう。
- 糖尿病
- 糖尿病は血行不良が起こりやすく、皮膚が硬く、もろくなります。すると包皮が切れやすく、傷口に細菌が感染しやすくなります。糖尿病による免疫機能の低下も感染リスクを高めます。
症状を感じたら、まずは病院へ
亀頭包皮炎は原因に合わせた治療をしないと、いつまで経っても治りません。まずは病院で原因菌を特定することが大切です。細菌性の場合、病院で処方された薬をきちんと塗れば、1週間程度で治るケースが多くみられます。
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- 岡 淳寿
- GOETHEメンズクリニック八重洲院 院長
- 性感染症は、専門の医師に診察してもらうことが大切です。これからも患者さんから、『ありがとう』『助かったよ』と言ってもらえるような診療を続けていけるよう研鑽してまいります。お気軽にご相談ください。
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記事監修 岡 淳寿 医師