亀頭包皮炎について|治療法と原因について解説

2022.10.28

亀頭包皮炎について|治療法と原因について解説

記事監修 野口真康 医師

亀頭が赤く腫れて炎症を起こしている、痛い…。かゆい…。病院に行って薬も塗っているのにちっとも治らない…!亀頭や包皮が炎症になるのにはいくつか原因があります。原因にあわせた正しい治療で、一日も早く不快な症状を治しましょう。

亀頭包皮炎とは?

亀頭包皮炎は、亀頭と包皮の炎症のこと。男性と男児に特有の病気です。

亀頭や包皮の細胞の死がいや皮脂、尿などが洗い落としきれずに溜まってしまったものを恥垢と言いますが、この恥垢をエサに細菌やカビが繁殖し、皮膚に感染することによって炎症が起きます。
亀頭は粘膜で覆われ、尿道の入り口もあります。包茎だととくに包皮と亀頭の間にジメジメした空間ができやすく、恥垢も溜まりやすいことから、より亀頭包皮炎を起こしやすくなります。
炎症が起こると亀頭や包皮が赤く腫れたり、痛みやかゆみが現れたりします。
感染した細菌や真菌(カビ)の種類によっては、排尿痛や膿、強い臭いが出ることも。

こうした細菌や真菌が増えてしまうのは、亀頭や包皮を清潔に保てていないせいもありますが、逆に洗い過ぎが原因のこともあります。 亀頭包皮炎は治りづらく、放置して悪化させてしまうとびらんや潰瘍(ただれ)になることもあるので、病院を受診して治療すべき病気です。

亀頭包皮炎の症状について

亀頭や包皮に現れる症状
・赤み
・違和感
・かゆみ
・カス
・痛み
・皮むけ
・膿
・びらん(ただれ)
・異臭
・裂傷

炎症が起こると、亀頭や包皮の皮膚に赤みが生じます。亀頭に赤い斑点が現れる、亀頭がかゆい、腫れる、ヒリヒリするといった症状が出ることもあります。症状が悪化すると腫れ、痛みは強くなり、びらん(ただれ)や裂傷が起こることもあります。 原因となっている細菌や真菌(カビ)の種類によって炎症の症状は異なり、例えば大腸菌などの細菌が原因の場合、炎症による赤みが強くなる傾向があります。腫れたり、黄色みがかった膿が出たりすることもあります。 真菌(カビ)の場合は主にカンジダ菌が原因になり、白色や黄色のカスが溜まるのが特徴。カスは臭いが強く、かゆみも伴います。亀頭がカサカサしたり、皮が剥けることもあります。  

亀頭包皮炎の種類について

亀頭包皮炎は原因となる病原体で2つの種類に分けられます。
一つは細菌によるもので、ブドウ球菌や大腸菌といった細菌が病原体。
もう一つは真菌(カビ)によるものでカンジダ菌というカビの一種が原因です。
このほか、亀頭包皮炎の定義には当てはまりませんが、一部のウイルスによって、亀頭包皮炎とよく似た症状が現れることもあります。詳しく見ていきましょう。

細菌性の亀頭包皮炎
亀頭包皮炎の80~90%は細菌性です。炎症を引き起こすのは黄色ブドウ球菌、大腸菌、レンサ球菌といった常在菌や、淋菌のように外から入り込んでくる細菌。常在菌は、普段は何ら害をなさないのですが、免疫力が低下するような状況が重なると異常繁殖し、炎症の原因になります。
細菌感染によって炎症が起こると、亀頭や包皮は赤く腫れます。腫れは斑点状になることもあります。真菌(カビ)性の亀頭包皮炎に比べると、赤みや腫れが強く、ただれがひどかったり、黄色い膿が出たりするのが特徴的です。
細菌性亀頭包皮炎の原因菌は1種類とは限らず、また真菌(カビ)性亀頭包皮炎を併発することも少なくありません。
カンジダ(真菌)性の亀頭包皮炎
カンジダ性亀頭包皮炎は、カンジダ菌という真菌(カビ)が原因の亀頭包皮炎です。
カンジダ菌は常在菌。皮膚や口の中、腸など、もともと体内に持っている人も多くいます。菌があると必ず発症するというわけではなく、免疫力の低下などをきっかけに異常繁殖することで炎症が起こります。
症状は、亀頭が赤く腫れる、かゆみや痛みが出る等。特徴的なのは、白色や黄色のカスが出る点。また、亀頭部がカサつく、ただれる、ふやける、さらにカンジダ菌が尿道に入り込んで尿道炎を起こすことも稀にあります。
カンジダ菌が原因で発症する亀頭包皮炎は確率としては少ないのですが、一度発症すると治りにくく、病院での治療が必要になるのが難点です。
その他:ウイルス性の亀頭包皮炎
厳密には亀頭包皮炎ではありませんが、ウイルス感染によって、亀頭や包皮に似たような症状が起こることがあります。
例えば単純ヘルペスウイルスに感染し、性器ヘルペスを発症した場合。亀頭や包皮が炎症を起こし、ヘルペス特有の水ぶくれが現れます。 またヒトパピローマウイルスに感染して尖圭コンジローマを発症すると、亀頭や包皮に尖った小さなイボが多数発生します。
これらは性行為を介した性感染症で人にうつしやすく、治りにくい病気。病院での治療が必要になります。

亀頭包皮炎になる原因とは

亀頭包皮炎を起こす一番の原因は不衛生ですが、実は洗い過ぎもよくありません。
炎症を起こす雑菌の数だけでなく、体内への侵入しやすさも炎症の原因になるからです。
亀頭包皮炎になりやすい人や習慣について解説します。

包茎の人に多い
包茎とは、亀頭が包皮に覆われて、露出していない状態のこと。亀頭が包皮によって覆われていると雑菌が繁殖しやすくなり、亀頭包皮炎を引き起こしやすくなります。
雑菌が繁殖しやすくなる理由は主に2つあり、1つは包皮が亀頭に覆いかぶさっているせいでジメジメした環境が維持されてしまうこと、もう1つは包皮と亀頭の間に恥垢が溜まりやすく清潔な状態を保ちにくいこと。湿気と栄養という条件が揃うことで、菌が異常繁殖し、炎症の原因を作ります。
洗いすぎ
亀頭包皮炎を起こす原因の多くは、実は洗い過ぎにあります。
不衛生な状態もダメですが、性器を清潔に保とうとして洗い過ぎるのもよくないのです。亀頭は薄い皮膜で覆われたデリケートな部位。ゴシゴシと強く洗い過ぎると粘膜が傷つき、炎症を逆に悪化させてしまうことがあるのです。
また、ボディソープで洗い過ぎるのもよくありません。ボディソープは皮膚を洗うためのもので、粘膜には刺激が強すぎます。必要な皮脂までとってしまうために亀頭の皮膚が乾燥し、表面に小さな傷ができて炎症を起こしやすくなります。
性行為
性行為を介して感染する真菌(カビ)や細菌、ウイルスが亀頭包皮炎の原因になることもあります。
例えば真菌の一種、カンジダ菌は、とくに女性に多い常在菌。健康であれば性行為で感染することは少ないのですが、免疫力が低下しているときにカンジダ膣炎にかかっている女性と性行為を行うと、そのリスクは高くなります。事後に亀頭が赤く腫れる、白いカスなどが出るといった症状が出たなら、カンジダ性亀頭包皮炎の可能性があります。
このほか、淋菌やクラミジアなどの細菌、性器ヘルペス、尖圭コンジローマの原因となるウイルスも、亀頭や包皮に炎症はじめ、さまざまな症状を引き起こします。
マスターベーション
マスターベーションの方法は人によっていろいろかと思いますが、自分の手を使うという人も多いのではないでしょうか。手は見た目に汚れていなくても、黄色ブドウ球菌、大腸菌、レンサ球菌、カンジダ菌等さまざまな雑菌が付着しています。その状態でマスターベーションをすれば亀頭や包皮の粘膜から雑菌が入り込む確率も高くなり、亀頭包皮炎になる可能性は十分にあります。 なお、雑菌はそこら中にいますから、手以外の方法でも同じことが言えます。
糖尿病
糖尿病による末梢の血行障害も、亀頭包皮炎の原因になります。
血行障害により血液が十分に行きわたらない状態が続くと、必要な栄養が必要な部位に供給されないという事態に陥ります。必要な栄養が不足すると、神経等、身体のあちこちで障害が起こり始めますが、亀頭や包皮に現れる症状もその一例。例えば栄養不足により包皮の弾力が失われることによって、めくったり、勃起したりしたときに包皮に亀裂が入るようになります。この場合、痛みもあってうまく洗えなくなりますから、菌が繁殖しやすい環境ができてしまいます。
また栄養不足は免疫力も低下させます。亀裂による傷のせいでカンジダ菌等の雑菌が侵入しやすくなっているだけでなく、侵入した雑菌に対抗する免疫力もないために、簡単に亀頭包皮炎を起こすようになってしまいます。

亀頭包皮炎の検査と検査費用について

亀頭包皮炎の場合、症状を自覚して受診に至るのが基本だと思いますが、その時点では病原体が何かまでは分かりません。
治療は病原体にあわせて行わなければ効果が期待できないため、何が病原体なのかを検査で調べる必要があります。

  • 病院での検査方法
    視診や問診で症状や状態を確認して判断する場合もありますが、原因となる病原体を特定するためには培養検査や尿検査が必要になります。
    培養検査では、亀頭や包皮の粘膜部分を綿棒でぬぐって検体を採り、適切な環境の下で増殖させて菌の有無や菌種を調べます。専用の設備が必要で、さらに一定の量になるまで培養しなければならないため、結果が出るまでには少し時間を要します。
    尿検査では出始めの尿を採って、真菌や細菌への感染があるかどうかを確認します。

亀頭包皮炎の治療について

治療方法は、亀頭包皮炎の原因と炎症の程度を診て判断します。
主に塗り薬を使い、治るまでの期間は通常1週間程度。

市販薬という選択肢もありますが、症状に合わないお薬だと悪化させてしまう恐れも。
デリケートな部位なので慎重に考えて行動しましょう。

  • 細菌性の治療について
    細菌性亀頭包皮炎の場合、抗生物質の塗り薬を用いますが、炎症を抑えるための対症療法としてステロイドを混ぜることもあります。炎症によるただれや亀裂等、症状がひどい場合は、抗生物質の飲み薬を併用することもあります。
    抗生物質の塗り薬にはクロマイP、フシジンレオ、ステロイド含有の塗り薬にはキンダベートなどがあります。また抗生物質の飲み薬としてはオゼックス、クラビット、クラリス、フロモックスが使われています。
  • 真菌性の治療について
    カンジダ菌のような真菌性亀頭包皮炎の場合は、抗真菌薬の塗り薬を使用し、炎症を抑えるために、細菌性の場合と同じくステロイドを混ぜることがあります。 抗生物質の塗り薬としてはアスタット軟膏、ロテュリミン、またステロイド含有の塗り薬には、キンダベート、グリメサゾン、ロコイドがあります。真菌性とカンジダ性が混合した亀頭包皮炎もあり得ますが、その場合は菌種にあわせて飲み薬を併用することもあります。
  • 治療期間
    処方した抗生物質含有の軟膏を1日2回程度、亀頭と包皮に塗ることで、通常は1週間程度で治ります。
    ただし、炎症がひどい、免疫力が低下している等の場合、治癒までに時間がかかることもあります。
    また、カンジダ性は菌の除去に時間がかかり治りにくいため、継続的な治療が必要になります。
  • 市販薬の使用について
    使うお薬は、亀頭包皮炎の原因によって異なります。ドラッグストア等で市販薬を購入する場合は、薬剤師に相談しましょう。軽症であれば、オロナインのような消毒効果がある軟膏を塗って患部を清潔に保つのも有効です。
    ただし、原因と薬が合っていないと悪化の恐れがあること、抗生物質の飲み薬は医師の処方が必要で市販では手に入らないことを考えると、早く治すには病院を受診するのが一番の近道だと言えるでしょう。

亀頭包皮炎は子どもにも多い病気です

男の子の赤ちゃんは、包茎の状態で生まれてくるのが普通です。
4~5歳になると亀頭が見えるくらいまで、思春期にもなれば全部をスムーズに剥けるようになりますが、そうなるまでの間は亀頭包皮炎を起こしやすくなります。
包皮を剥こうとしても1mmほどしか隙間がなく亀頭が見えないような状態だと亀頭と皮の間におしっこが残りやすく、炎症を起こしやすくなります。
 清潔に保てているか常日頃から気にしてあげるようにし、炎症を起こしたら病院へ連れていくようにしてください。    

亀頭包皮炎の予防法について

亀頭包皮炎になりやすい場合、一番の予防方法は清潔にすることです。
とくに包皮の内側は汚れが溜まりやすい部分。陰茎本体の厚い皮膚とは違い、亀頭や包皮はデリケートなので、ぬるま湯でやさしく洗うようにします。
前述したように、ボディソープを使ってゴシゴシ洗うのはよくありません。 

また、免疫力が低下していると炎症を起こしやすくなりますから、食事の内容やストレス、睡眠不足に注意し、健康的な日常生活を送ることも大切です。

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亀頭包皮炎は、不衛生にしていたり、免疫力が低下していたりすると起こしやすい病気。不衛生になりやすい包茎や、デリケートな亀頭を傷だらけにしてしまう洗い過ぎの習慣が、雑菌を異常繁殖させ、感染しやすくする原因を作ります。
炎症を起こす雑菌には細菌と真菌(カビ)があり、厳密には亀頭包皮炎とは言えませんが、ウイルスが原因になることもあります。
治療の選択肢には市販薬もありますが、原因に合う薬を自分で選ぶのは容易ではなく、使い方を間違うと症状をかえって悪化させてしまう恐れも。 また自然治癒を期待して放置する人もいますが、無駄に悪化させるだけです。場合によっては放置のせいで手術が必要になることもあるので、自覚症状があるのであれば早めに受診しましょう。
GOETHE MEN’S CLINICなら、診察したその日から治療を始めることも可能です。
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野口 真康
GOETHEメンズクリニック八重洲院 院長
日本性感染症学会 会員
性感染症は、専門の医師に診察してもらうことが大切です。これからも患者さんから、『ありがとう』『助かったよ』と言ってもらえるような診療を続けていけるよう研鑽してまいります。お気軽にご相談ください。
性感染症専門医として取材紹介されました