性病の検査・治療は病院の何科に行けばいい?
2022.10.31
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記事監修 宮島 賢也 医師
性病の症状や不安があり、病院へ行こうというとき、「何科を受診すればよいか分からない」という方が少なくありません。この記事では症状や事情に合わせて、何科を受診すればよいか、どんな病院を探せばよいかを解説します。
目次
受診すべき病院や診療科は?
性病の時に受診する可能性のある診療科は泌尿器科、皮膚科、耳鼻咽喉科です。検査や治療をする病院やクリニックを探す場合、性器に症状があるのか、あるいは周辺の皮膚に異常があるのかなど、部位によって、受診する科はある程度決まってきます。
ただし、性病全般を診療する性病専門のクリニックもあります。どこに行けばよいかわからない時は性病専門のクリニックに行くとよいでしょう。
男性が受診する病院、受診科目
女性が受診する病院、受診科目
【泌尿器科】
尿道や亀頭、陰茎、陰嚢など、性器そのものに症状がある場合に受診しましょう。
泌尿器科は男性の生殖器系が専門で、性器周りの病気や治療に詳しいのが特徴です。
【皮膚科】
性器周辺の皮膚に症状がある場合は皮膚科を受診しましょう。
皮膚科は皮膚の病気の専門科。手足、顔、身体から耳、鼻、口の中まで、器具を使わずに肉眼で見える部分はすべて診察の範囲になります。
【耳鼻咽喉科】
症状のある部位が喉の場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。
【婦人科】
おりもの、外陰部や膣の中など、女性の性器そのものに症状がある場合は婦人科を受診しましょう。
婦人科は、月経やおりものの異常、子宮や卵巣、乳房、そして女性器の病気など、女性特有の病気を専門としています。
ただし、それぞれその部位の専門科であっても、性感染症に特化しているわけではありません。
性感染症については、性病科のような性病の専門科の方が精通していると言えます。迷った時は性病の専門科へ行くとよいでしょう。
性病検査の詳しい内容はこちら
迷ったら性病の専門科へ
性病の検査・治療を専門に行う病院・クリニックも、最近は増えてきました。
性病科や、性病専門の泌尿器科がこれに該当します。
性病科は、正式名称を性感染症内科と言い、性感染症全般を専門とする診療科です。男女問わず、性感染症全般が診察の範囲となり、泌尿器科、婦人科はもちろんのこと、内科、皮膚科なども扱います。
また、泌尿器科とうたっている病院やクリニックでも、性病の検査や治療を専門としているところがあります。性病科同様、性病全般に知見があると考えてよいでしょう。
性病科のある病院やクリニックはまだまだ少数ですが、東京都内、神奈川、埼玉、千葉といった関東エリア、大阪などの大きな都市部には存在しています。
それでは性病の専門科に受診するメリットを見てみましょう。
メリット① 受付で「何と言うか?」を悩まなくていい
受付や予約の際、恥ずかしくて「何を言えばよい?」と悩む方もいるようです。 性病専門の病院・クリニックであれば、検査したい病名を伝えれば十分です。
メリット② 部位を問わず検査と治療が可能
一般の泌尿器科、耳鼻咽喉科などでは、診察や治療の範囲が限られてしまいます。しかし、性病の専門科であれば性器以外にも、のどや肛門など幅広い治療が可能です。
検査と治療には保険診療と自由診療がある
性病の検査や治療には健康保険が適用される保険診療と、適用外の自由診療があります。
費用面だけをみると保険診療の方が安いわけですが、両者の違いはそれだけではありません。
それぞれのメリットとデメリットについて説明します。
保険診療(保険適用される治療)
保険診療の一番のメリットは、費用を安く抑えられること。風邪やケガなどで受診する場合と同じく、受診者の費用負担は3割です。
ただし、保険適用には条件があり、すでに症状があることが必要。「今のところ症状はないが、感染の可能性があるから検査したい」というような場合は保険診療の適用外になります。
また、すべての性病が保険診療の対象ではなく、検査や処置の方法に制約が出る点もデメリットと言えます。例えば、同じ月に同じ医療機関で同じ病名の別の部位(のどのクラミジアと尿道のクラミジア等)の検査はできません。
保険が適用されるタイミングも、検査結果が出てから。「今すぐ、何とかしたい」のに、治療を始めるまでに日数がかかってしまうこともあり得ます。さらに、健康保険証を使用するため、匿名での検査・治療ができません。年1回手元に届く「医療費のお知らせ」にも記載されますので、家族や会社など、周囲にバレる可能性は否めません。
自由診療
自由診療とは、公的な医療保険が適用されない治療のこと。全費用が受診者の負担となりますが、多くのメリットがあります。
例えば、性交渉の相手が性病だったことが分かり、「自分に症状はないが心配だから検査したい」という場合、保険診療では保険適用外になりますが、自由診療であれば対応が可能です。
保険診療では、違う部位で同じ病名の検査を同日には受けることができませんが、自由診療は複数の検査が可能です。まとめて検査を受けたい場合や、時間があまりとれない方は自由診療が向いています。
保険診療のように、検査結果を待つ必要はありません。
健康保険証を使わないので、匿名で検査や治療を受けられます。「医療費のお知らせ」に受診機関名が記載されることもありません。
この他、自由診療の病院やクリニックは、日曜・祝日や夜間の診療に対応しているところも多く、急な発症時にも、対応可能といったメリットがあります。
代表的な性病の種類
排尿時の尿道の痛み・違和感・かゆみ・尿道から膿が出る
クラミジア性尿道炎、淋菌性尿道炎、尿道炎など
陰茎の痛み・かゆみ・赤み・びらん(ただれ)・水ぶくれ・口内炎のようなぶつぶつ・潰瘍・臭い
亀頭包皮炎(細菌・カンジダ)、ヘルペス、梅毒など
喉の痛み・違和感
咽頭クラミジア、咽頭淋病、扁桃炎など
陰部のできもの・ぶつぶつ
尖圭コンジローマ、包皮腺、フォアダイス、真珠腫様小丘疹など
迷ったら性病の専門科へ
性病はその性質上、受診するのに抵抗を感じる方が多いかもしれませんが、早期発見と早期治療が大切です。一般的に性病で入院することはほぼありませんが、放置して悪化すると、腹膜や睾丸に炎症が生じ、重症化して入院、という事態もあり得るからです。
「何科を受診すればいいのか?」「受付で何と言えばいいか?」「受診すること自体がそもそも恥ずかしい…」という方は、性病の治療に精通し、患者の気持ちを理解している、性病専門科への受診をおすすめします。
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