ちんちんにできたブツブツ、これって性病? デキモノや症状から何の病気かを知る
2022.10.31
お知らせ 東京都の梅毒感染防止に向けた検査 実施中
陰部にぶつぶつとしたできものができたら、「もしかして、病気?」と不安になることと思います。この記事では、陰部のできものについて、できる場所や形状からその正体を解説します。現在、陰部にできものがあって心配な方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
陰部(ちんちん)にできた「ぶつぶつ」について
トイレやお風呂に入ったときに自分で気づいたり、セックスのときにパートナーから指摘されたり…自分の性器にぶつぶつがあると分かったら、とても不安になると思います。
「性病だったらどうしよう…」「そもそも原因になるようなこと、最近したっけ?」思い当たる行為があろうがなかろうが、デリケートな場所だけに、誰にも相談できずに悩んでしまうかもしれません。また、パートナーや風俗のお店で性病と決めつけられて拒否されるのもショックです。
陰部にできる「ぶつぶつ」は性病が原因のこともありますが、ニキビやほくろと同じように、生理現象で発生する場合もあります。紛らわしいことに、病気による「ぶつぶつ」の初期症状と病気ではない「ぶつぶつ」は似ていることが多く、さらに病気でない「ぶつぶつ」は健康な成人男性の半分以上に見られます。
「ぶつぶつ」を見つけたら不安になったり悩んだりしてしまいますが、それよりもまずは、それが悪性か良性かを知ることの方が大切。代表的な症状について見ていきましょう。
フォアダイス・真珠様丘疹・包皮腺
男性器にできた「ぶつぶつ」は、生理現象によるものと、性病によるものとに分けられます。病気ではない「ぶつぶつ」は、できる場所によってフォアダイス、真珠様小丘疹、包皮腺と呼び分けられます。
良性のイボなので治療の必要はないですし、性病でもないですからパートナーにうつすこともありません。あくまでも目安で一概には言えませんが、決まった部位にでき、ほぼ同じサイズのぶつぶつが並んでいるのなら、性病の可能性は低いといえるでしょう。
フォアダイス
できる場所:陰茎の皮膚や包皮
形状:皮膚の下にぶつぶつができる
皮脂腺が外側に飛び出てぶつぶつしている状態が、陰茎の表皮から透けて見えてしまっているものをフォアダイスと言います。皮脂腺は皮脂を作る器官で、本来は毛根の根本にあるものですが、毛根とは関係のないところにできてしまうことがあり、これがフォアダイスになります。
健康な男性の半数以上に見られる現象で、性感染症ではありませんし、痛くもかゆくもありません。見た目が気になる場合、レーザー等で除去することはできます。
真珠様陰茎小丘疹(しんじゅようしょうきゅうしん)
できる場所:亀頭のカリの部分
形状:1~2mm大で光沢のあるぶつぶつ
真珠様小丘疹は、亀頭のカリ首を囲うようにできるぶつぶつのこと。光沢のある細かいぶつぶつが1~2列で規則正しくリング状に並んでできます。脂肪のかたまりがポツポツ出てきただけの生理現象で、痛みやかゆみなどの症状はありません。
包茎だと亀頭部分に皮脂が溜まりやすくなるので真珠様小丘疹ができやすくはなりますが、健康な男性の約20%に見られる現象であって、性病ではないので感染の心配はなく、治療の必要もありません。
包皮腺
できる場所:裏スジ
形状:球状ないし鉛筆状のぶつぶつ
包皮腺は、裏スジの両側にできる白いぶつぶつで、タイソン腺とも呼ばれます。皮膚の油分を分泌する皮脂腺がふくらんでできたもので、ぶつぶつの大きさは基本的に均一。尖圭コンジローマの初期症状に似ているので誤解されやすいですが、性病ではなく、生理現象です。
包茎の人は、包皮との間に皮脂や汚れがたまるので包皮腺になりやすい傾向があります。皮脂や汚れは病気ではないものの悪臭の原因になるので注意が必要です。
ちんちんの「ぶつぶつ」が病気かどうかを調べる

男性器にできた「ぶつぶつ」の中には性病が原因のものもあります。ぶつぶつのサイズがバラバラだったり、いろいろな部位にできたりしている場合、性病の可能性が高くなります。
ブツブツができる性病の代表的なものには、ニワトリのトサカ状やカリフラワー状のでデキモノができる尖圭コンジローマ、赤いぶつぶつや水疱ができる性器ヘルペスがあります。とくに尖圭コンジローマは、初期症状が先に紹介した病気ではないぶつぶつとよく似ていて、痛みもかゆみもなく、見た目からも判別するのが難しい病気です。
亀頭や陰茎にはいろいろなぶつぶつが発生する可能性があります。性病だった場合、放置すると症状が悪化したり、人にうつしたりすることもあり得ます。早めに受診するのが一番ですが、まずはどんな病気なのかある程度見当をつけられるよう、症状や診断方法、治療法について解説していきます。
ニワトリのトサカ状のデキモノ、カリフラワー状のデキモノがある<尖圭コンジローマ(せんけいこんじろーま)>
こんな症状があったら、尖圭コンジローマの可能性があります。
- ・尖ったトサカのようなデキモノがある
- ・カリフラワー状のデキモノがある
- ・痛みやかゆみはない
- ・デキモノの色はピンク色や褐色
- ・デキモノのある部位は亀頭、カリ、包皮、陰のう、肛門など
- ・放っておいたら大きくなった
- ・放っておいたら増えてきた
- 尖圭コンジローマとは
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HPV(ヒトパピローマウイルス)が原因の性病で、性的な接触を介して、皮膚や粘膜の小さな傷からウイルスが侵入して繁殖し、発症します。潜伏期間が3週間~8ヶ月と長いため、いつどこで感染したかははっきりしません。
痛みやかゆみはありませんが、放っておくと腫瘍化して性器全体を覆い尽くしたり、癌化したりすることもあります。他の性病を併発することが多く、また女性は出産時に尖圭コンジローマにかかっていると母子感染する恐れもあります。
尖圭コンジローマの診断方法
特徴的な見た目のため、基本的には視診でデキモノを確認することで判断します。患部から検体を採取して、ウイルスの有無を確認することは可能です。
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- 尖圭コンジローマの治療法
- 薬物による治療と、外科的な治療があります。薬物の場合は軟膏を用い、外科的治療の場合は電気メスやレーザーで焼いたり、液体窒素で凍結したりします。ただ今のところ、いずれの方法でも体内からウイルスを完全に排除することはできず、再発の可能性があります。
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赤いぶつぶつや水疱がある<性器ヘルペス>
こんな症状があったら、性器ヘルペスの可能性があります。
- ・性器の周りに赤いぶつぶつがある
- ・性器の周りに水疱がある
- ・水疱が破れてただれている
- ・尿道から分泌物が出ている
- ・排尿時に強い痛みがある
- ・太もものリンパ節が腫れている
- 性器ヘルペスとは
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性器ヘルペスの原因はHSV(単純ヘルペスウイルス)への感染です。HSVは8つの型があり、性器への感染は主に2型。感染経路は性行為のほか、水疱の中にヘルペスのウイルスがいるため、水疱に触れた手を介して症状が拡がっていきます。
感染後、ウイルスは体内の神経に潜伏しますが、元気なときには症状は現れません。ストレスや疲労などで身体の抵抗力が落ちたり、性行為で刺激を与えたりすると、ウイルスが活性化して症状が現れます。
性器ヘルペスの診断方法
特徴的な症状が現れるため、皮膚の状態を主に視診で判断します。検体を採取して細胞の変化を検査することや、血液検査でウイルスへの感染を確認する場合もあります。
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- 性器ヘルペスの治療法
- 抗ウイルス薬を使って治療を行います。内服薬と外用薬の2種類があり、発症している部位や症状にあわせて選択します。ただし、現在の医療では神経に潜伏しているウイルスは排除できないため、再発の可能性があります。
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1~5ミリくらいの表面がツルツルしたデキモノがある<水いぼ>
こんな症状があったら、水いぼの可能性があります。
- ・陰のう、陰毛が生えている部位、肛門周辺にぶつぶつがある
- ・ぶつぶつの大きさは1~5mm大
- ・大きいいぼは中央がくぼんでいる
- ・ぶつぶつの表面はなめらかで光沢がある
- ・痛みやかゆみは特にない
- 水いぼとは
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伝染性軟属腫ウイルスへの感染が原因の皮膚病。子どもに多い病気で、以前は子どもからうつされるケースが多かったのですが、近年では性行為による感染が増えています。
また、タオルの共有などでもうつることがあります。身体の抵抗力が落ちているとき、アトピー性皮膚炎で皮膚のバリア機能が低下している人は感染しやすくなります。潜伏期間は2週間~1ヶ月で、自然に治ることが多いですが、パートナーにうつす可能性があるので、長引く場合は治療した方がよいでしょう。
水いぼの診断方法
典型的な見た目なため、ほとんどの場合、視診で判断します。判断がつかなければ、いぼを採取して顕微鏡で調べることもあります。
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- 水いぼの治療法
- ピンセットでつまみ取るか、レーザーや液体窒素で除去します。現在のところ、ウイルスを直接死滅させる治療がないため、いぼができたら除去するという対症療法になります。
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亀頭や亀頭のくびれの部分にコブができたり、コブがつぶれている<軟性下疳(なんせいげかん)>
こんな症状があったら、軟性下疳の可能性があります。
- ・亀頭やカリの周辺にコブがある
- ・コブのサイズは豆粒大
- ・コブがつぶれて化膿している
- ・化膿がひどくただれ、激痛がある
- ・腐臭をともなった膿が出る
- ・足の付け根のリンパ節が腫れている
- 軟性下疳とは
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軟性下疳菌という細菌が原因の性感染症で、東南アジアやアフリカ、南米に多い病気です。現在、日本国内での発症はほぼなく、感染する可能性があるのは海外。感染部位や、感染部位から出た膿、血液の中に病原菌が存在し、触れることで感染が拡がります。
感染しやすい性病ではありますが、潜伏期間が2~7日ほどと短く、発症後は性行為ができないほどの激痛に見舞われるので、パートナーへの感染はあまり多くありません。また、軟性下疳の症状があるとHIVの感染リスクが高くなります。
軟性下疳の診断方法
症状に特徴があるため、視診と触診だけでも診断が可能です。膿や体液を採取して検査することもあります。
- 軟性下疳の治療法
- 抗生物質による治療と行います。方法は内服薬、もしくは注射で、ただれている患部には外用薬で対応します。軟性下疳菌は耐性化が速いので、治癒確認の検査は絶対的に必要です。
亀頭や陰茎(ペニスの棒の部分)、亀頭のくびれ部分にしこりがあり痛い<梅毒>
こんな症状があったら、梅毒の可能性があります。
- ・性器に小豆~指先大のしこりがある
- ・しこりに軟骨のような硬さがある
- ・しこりの中心部が硬く盛り上がっている
- ・足の付け根のリンパ節が腫れている
- ・性器や肛門周辺に、扁平状のイボがある
- ・全身に赤い湿疹がある
- ・全身に小豆~えんどう豆大の赤茶色の盛り上がりがある
- 梅毒とは
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梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌が原因の性感染症。感染部位や体液、血液にいる細菌が性行為を介して皮膚や粘膜の小さな傷から侵入して感染します。口の中に症状が出ているとキスでもうつる可能性があります。
梅毒は4期にわたって進行し、早期であれば完治が可能ですが、現代でも末期では死に至ることも。1回の性行為で感染する確率は20%以上と言われ、近年若い女性の間で急増、問題となっています。またHIV感染や母子感染のリスクもあります。
梅毒の診断方法
診察と血液検査で判断します。第1期の初めの数週間は正確な結果が出ないことがあるため、感染の機会から1ヶ月おいてから受診します。
- 梅毒の治療法
- 抗生物質による治療になります。ペニシリン系のお薬を2~12週間、内服し、治療の6ヶ月後、12ヶ月後に血液検査をして、治癒確認を行います。
ちんちんの「ぶつぶつ」や「デキモノ」は市販薬で治療できる?
結論から言うと、自己判断でお薬を探して治療するのは難しいでしょう。「ぶつぶつ」や「デキモノ」の原因になる病原体は、細菌やウイルス、病気によって異なります。治療するにはその病原体にあわせたお薬が必要ですが、自分では症状の原因が分からないうえ、そもそも処方は医師にしかできません。
性病の「ぶつぶつ」や「デキモノ」は痛みやかゆみを伴うものもあり、こうした自覚症状を和らげるものは市販薬にもあります。ただ、あくまでも痛みやかゆみを緩和するだけの対症療法であって、病原体を除去するものではありません。正しい治療をせずにいると悪化してしまう病気もあります。自分の力だけで解決しようとせずに、まずは病院・クリニックで相談しましょう。
症状が出たら、まずは病院で検査を!
男性の陰部には、良性、悪性問わず、いろいろなぶつぶつができます。良性、つまり病気ではないものは感染の心配はなく、見た目さえ気にならなければ治療の必要もありません。病気が原因の悪性のぶつぶつの場合は、ものによってはとても感染しやすかったり、放置によって重症化したりするだけでなく、HIVに感染しやすくなる恐れもあります。
「ぶつぶつ」や「デキモノ」だと、ドラッグストアで塗り薬でも買って患部に塗っておけば治るのではないかと思うかもしれませんが、それはあくまでも対症療法。痛みやかゆみの緩和は期待できても、病原体である細菌やウイルスを体内から排除することはできません。病原体の種類によっては、処方薬を用いたとしても治療に時間がかかるケースもあります。
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- 岡 淳寿
- GOETHEメンズクリニック八重洲院 院長
- 性感染症は、専門の医師に診察してもらうことが大切です。これからも患者さんから、『ありがとう』『助かったよ』と言ってもらえるような診療を続けていけるよう研鑽してまいります。お気軽にご相談ください。
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記事監修 岡 淳寿 医師