クラミジアを放置した場合のリスクについて|放置しても治る?放置期間が長いと不妊になるって本当?

クラミジア 放置するとどうなる?

クラミジア感染症を放置していると、男性では尿道から睾丸へ、女性では膣から子宮や卵管へと感染が拡がっていきます。症状が軽いからといって、病気自体が軽いわけではありません。生殖器への感染では、放置によって不妊症になる可能性もあります。

クラミジア放置による男性のリスク

初期症状が現れるのは、一般的に感染から1~3週間の潜伏期間を経た後。男性の場合、性器が感染すると尿道炎を起こすので、尿道に異常が出ます。排尿時、とくに尿の出始めに痛みを感じたり、尿道に痒みや不快感を生じたり、また、尿道の出口から透明で水っぽい膿が出ることもあります。

ただ、発症の仕方がゆるやかで症状も軽いことから、感染を自覚するのが難しいのが特徴です。また無症状ということもよくあります。

尿道炎を放置していると、感染は精巣上体へと進行していきます。精巣上体とは副睾丸のこと。睾丸の後ろ側にあり、睾丸(精巣)で作られた精子を貯蔵する器官です。

炎症が拡がって精巣上体炎を起こすと、副睾丸に腫れやしこりを感じたり、痛みを生じたり、発熱することもあります。尿道炎から徐々に進行するのではなく、いきなり精巣上体炎を発症することもあります。

精巣上体炎は、男性不妊症の原因にもなります。精巣上体(副睾丸)は、精子を貯蔵するだけでなく精管(精子を運ぶ管)に送り出す役目も担っていますが、精巣上体炎が悪化すると、精子の通り道が塞がって通過障害を起こすことがあるのです。

また精子は、精巣(睾丸)で作られた後、精巣上体を通って精管や精のうへ、さらに前立腺を通過して最終的に尿道へと運ばれます。精巣上体に限らずこの通り道に炎症があると、精子の活動が悪くなり、やはり男性不妊症の原因になることがあります。

クラミジア放置による女性のリスク

女性の場合も、感染から1~3週間後に初期症状を生じます。クラミジアは、膣から侵入すると子宮頸管(膣と子宮のつなぎめ)に感染して炎症を起こすので、まず子宮頸管炎を発症します。

最初に見られる症状としては、おりものの量が増える、おりものの色がいつもと違う、不正出血があるなど。ただし、女性は男性よりも症状が出にくいのが厄介で、感染しても半数以上が症状を自覚できないとされています。

子宮頸管炎を放置していると、子宮や卵管、腹膜へと炎症が拡がっていきます。子宮では子宮内膜炎が起こります。

子宮内膜は月経のたびにはがれ落ちて新しくなるので、炎症が起きにくい部位ではあるのですが、クラミジアが入り込むことで突発的に炎症することがあります。症状としては、おりものの異常や不正出血のほか、下腹部痛や発熱などが現れます。

さらに症状が進行すると、炎症は卵管へと拡がり、下腹部痛が強くなっていきます。が、炎症が軽ければ、おりものが増える程度のこともあります。卵管炎で怖いのは、卵管に癒着が起きて詰まり、不妊症の原因になる可能性があること。

卵管とは子宮と卵巣をつなぐ管ですが、卵子と精子の通り道であり、受精する場所でもあります。ここが詰まれば卵子も精子も通ることができないので、受精もできなくなってしまうのです。

また、炎症によって卵管の機能がおかしくなり、子宮外妊娠を起こすこともあります。受精卵は本来、子宮の中に着床するものですが、卵管炎の影響で卵管内に着床してしまうことがあり、この場合、母子ともに命の危険にさらされることになります。

咽頭クラミジアを放置した場合のリスク

オーラルセックスを介して喉が感染すると、咽頭クラミジアになります。初期症状として現れるのは、喉の痛み、咳、痰、発熱など。性器と同じく感染から1~3週間の潜伏期間後に発症しますが、風邪のような症状なので「喉が性病にかかった」とはなかなか自覚できません。

また、症状が現れればクラミジアとは分からなくとも、病気にかかったこと自体には気づけますが、そもそも喉への感染ではたいていが無症状。放置されることが多くなります。

 

感染が進行していくと、炎症は、喉の両脇にある扁桃にも拡がっていきます。これを扁桃炎と言い、扁桃部分が赤く腫れあがり、白い膿が出るようになります(膿栓)。つばを飲み込むと痛みがあり、発熱する場合もあります。

また20代では上咽頭炎を起こす場合があり、難聴や中耳炎を引き起こす恐れがあります。

目のクラミジアを放置した場合のリスク

クラミジアに感染した性器に触れた手で目をこする等、クラミジアは手指を介して目にも感染します。性器や喉への感染とは異なり、目への感染は自覚しやすいのが特徴。

クラミジア性結膜炎を発症するので、約1週間の潜伏期間後、まぶたの腫れ、結膜の充血、むくみ、ネバネバした目やになどが初期症状として現れます。まぶたの裏側には小さなブツブツができ、時間が経つにつれ肥大していきます。

さらにブツブツに炎症が起きると、充血や目やになどがひどくなっていきます。目そのものの症状に加え、耳の前のリンパ節が腫れて、痛みを生じることもあります。また、喉の感染から鼻涙管をつたって目に症状を表すこともあります。

HIVなどの性病にも罹患しやすくなる

クラミジアに感染すると、性器や粘膜が炎症を起こして傷つくため、ほかの性病にも感染しやすくなります。とくにHIVは、感染確率が通常の3~5倍高くなると言われています。

1年、5年、10年。長年放置してしまうクラミジア

クラミジア感染症は、放置され、悪化しがちな性病です。放置されやすいのには、大きく2つの理由があります。1つは症状が軽く自覚できないせいで、感染したことに気づけないため。

他の性病と比べ症状が軽く、女性にいたっては、半数以上に自覚症状がないと言われるほど。自覚できなければ、自分の身体の異常に気づけないわけですから、感染にも気づきようがありません。

わざと放置しているのではなく、感染に気づけず結果的に放置になってしまったケース。これが1つめの理由です。

もう1つは、症状が軽く、治療を途中でやめてしまうことが多いため。異常を感じて治療を始めたものの、症状が軽いことから「もう大丈夫だろう」と自己判断し、治療を中断してしまう場合がこれにあたります。

症状がどれだけ軽かろうと、完治していないのであればクラミジアは体内に残っているのですが、本人は治ったつもりでいる。しかしながら、実際は放置状態にあり、症状が進行している可能性も高いケースです。

残念ながら、クラミジア感染症は放置しても自然治癒することはほぼありません。確かに、人には自然治癒力が備わっていますが、クラミジアには少し特異な性質があり、その力が働きにくいのです。

放置してもリスクが高まるだけなので、疑わしい行為や症状が少しでもあるのなら、早めに検査・治療を受けた方がよいでしょう。

クラミジアは自然には治らない病気です

クラミジア感染症は、治療を正しく受ければ治る病気です。「治療を正しく受ける」とは、医師の指導のもと、決められた量のお薬(抗生物質)を決められた期間飲み続け、最後まできちんと飲み切るということです。

クラミジアを除菌し切れたかどうか確かめる検査は必要ですが、いずれにしても、治療を最後まで受けさえすれば治る病気なのです。

その一方で、放置期間が長くなればなるほど、リスクが高まる病気でもあります。男性では精巣上体、女性では卵管にまで感染が進行してしまうと不妊症になる恐れが、また女性の場合、妊娠中だと早産や流産も起こしかねません。

「症状が軽いから」「恥ずかしいから」と言って放っておかずに、早めに治療を始めましょう。

治療に際しては、医師の指導のもと、正しく対処すること。勝手な自己判断で治療をやめてしまうと、かえって治りにくくなることもあります。GOETHE MEN’S CLINICでは、検査したその日から治療が始められ、お薬の処方も可能です。

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記事の監修者:野口 真康
GOETHEメンズクリニック八重洲院 院長
日本性感染症学会 会員