治らない亀頭包皮炎の治療について|どんな薬が効く?治らない理由は?

2024.3.12

治らない亀頭包皮炎の治療について|どんな薬が効く?治らない理由は?

記事監修 宮島 賢也 医師

亀頭包皮炎は、男性器の亀頭部分が赤みを帯び、腫(は)れたり、包皮がむくんだりする病気です。この記事では、亀頭包皮炎の治療方法や治りづらい理由、症状が悪化する要因などについて詳しく解説します

亀頭包皮炎は、男性器の亀頭部分が赤みを帯びる病気です。ひどくなると腫れやただれ、皮が剥けるほか、膿(うみ)が出ることもあります。

デリケートな部位であるために、「恥ずかしいから」と病院を受診しない方も多いようです。しかし、亀頭包皮炎は自然には治りにくく、原因によって効果のある薬も変わります

市販薬を使っておけば「そのうち治るだろう」と安易に考えず、まずは病院で原因を特定することが大切です。

亀頭包皮炎の症状

亀頭包皮炎の症状は原因菌によって違う

症状は原因となる菌の種類によって異なります。

細菌性亀頭包皮炎の症状

亀頭や包皮が赤く腫れます。腫れは斑点状になることもあります。カンジダ性に比べ、赤みや腫れが強く、ただれがひどくなります。黄色の膿が出るのも特徴です。

カンジダ性(真菌)亀頭包皮炎の症状

亀頭のカサつき、ただれ、ふやけなど。赤く腫れたり、皮が剥けることもあります。かゆみや痛みを伴い、白色や黄色のカスが出るのが特徴。尿道炎を起こすこともあります。

亀頭包皮炎が治らない理由は?

亀頭包皮炎は病院へ行かないと治らない

一般的に、亀頭包皮炎病院で処方された塗り薬をきちんと塗っていれば、1週間程度で治るといわれています。一方、市販薬などで治療をしてもなかなか完治は難しいといえます。

では亀頭包皮炎が、なかなか治らないのは、どのような理由が考えられるのでしょうか。

市販薬では治りにくい

市販薬では治りにくい

第一に、薬が合っていないケースが考えられます。病院に行かずに、自己判断で市販のかゆみを抑える塗り薬などを使用していては治らないのも当然です。まずは病院を受診し、原因菌を特定することが重要です。

また、細菌によるものなのか、カンジダによるものなのかは、症状が似ているため医師でも判断は難しいもの。さらに細菌性・カンジダ性の混合感染のケースもあり、自己判断はまず不可能です。

亀頭包皮炎を治すには、原因菌に合わせた適切な薬が必要不可欠。病院で処方された薬を使うようにしましょう。

洗いすぎで症状が悪化

洗いすぎで悪化することがある

亀頭包皮炎の悪化を防ぐには、亀頭を清潔に保つことが大切です。しかし、せっけんやボディソープで必要以上にゴシゴシ洗いすぎると、逆に症状が悪化する可能性が高まります。

特に、カンジダ性亀頭包皮炎は注意が必要です。そもそもカンジタ菌は常在菌。亀頭を洗い過ぎると、良い菌がいなくなってしまい、ガンジタ菌だけが残り、余計に症状が悪化する悪循環に陥ってしまいます。

せっけん類を使用せずに、お湯で優しくすすぐようにしましょう。

糖尿病

糖尿病の人は治りにくい

糖尿病が万病の元といわれるのは、さまざまな合併症を起こしやすくするためです。

亀頭包皮炎も糖尿病の合併症のひとつ。高血糖で血流が悪くなり、皮膚の柔軟性が低下し、伸びた時にヒビ割れや裂けが生じて発症します。

また、糖尿病には傷ができると治りにくいという特徴があります。そのため、糖尿病の人は亀頭包皮炎にかかりやすく治りにくくなるのです。

亀頭包皮炎を放置すると…

亀頭包皮炎を放置すると勃起不全や不妊症になる可能性がある

亀頭包皮炎を放置しておくと、皮膚の膿瘍や包皮の狭窄症など、深刻な合併症を引き起こす可能性があります。

さらに、炎症がひどくなると排尿障害勃起不全などが生じ、精子の質が低下することで不妊症になることもあります。

性感染症にかかるリスクも高まりますので、早めに病院で治療することが大切です。

検査と費用

病院での検査で病原菌を特定できる

亀頭包皮炎であるか否かの診断は、一般的に医師による問診と視診によって行われます。

細菌性亀頭包皮炎のおそれがある場合は「細菌培養検査」で原因菌を特定します。この検査では粘膜や皮膚から恥垢(ちこう)を採取し、増殖させてから、菌の有無や種類を調べます。専用設備で菌を一定量に増やすのに日数がかかるため、結果が出るまで数日かかるのが一般的です。

他には、「尿検査」「血液検査」があります。尿検査では尿を採取して、細菌や真菌の感染を調べます。血液検査では炎症の程度やヘルペスウイルス抗体の有無、糖尿病の可能性などを調べます。

検査費用は6,000~10,000円が目安です。

亀頭包皮炎の治療

治療は主に塗り薬で行われる

亀頭包皮炎の主な治療法は、抗生剤による軟膏(なんこう)塗布です。強い炎症が見られる場合には、医師の判断により経口の抗生剤投与と併用して治療が行われます。

細菌性の亀頭包皮炎の治療薬

  • ・リンデロンやラミシール、ゲンタシンなどの抗炎症剤
  • ・クラリスやクラビット、フロモックス、オゼックスなどの抗生物質を含む飲み薬を併用するケースもある

カンジダ性の亀頭包皮炎の治療薬

  • ・アスタット軟膏などの抗菌剤塗り薬
  • ・キンダベートやグリメシン、ロコイドなどのステロイド含有塗り薬
  • ・塗り薬と併用する抗真菌内服液が処方されるケースもある

亀頭包皮炎になりやすい人

包茎の人は亀頭包皮炎にかかりやすい

包茎

亀頭包皮炎は細菌が繁殖することで炎症を起こす病気。亀頭と包皮の間に垢やカスがたまることが要因となります。子どもがかかることも多いのですが、その理由は亀頭が包皮で包まれているため。つまり大人でも包茎の人はかかりやすいといえます。

パートナーがカンジダ膣炎

亀頭包皮炎は、性感染症に分類されていません。カンジダ菌は常在菌であり、通常はパートナーに感染することがないためです。

しかし、男性の免疫力低下時に、カンジダ膣炎の女性と性行為をすると、亀頭包皮炎にかかるリスクが高いといえます。

また、洗いすぎや自慰行為による傷なども原因になります。

症状を感じたら早めに病院へ

病院を受診することが改善への近道

「恥ずかしくて病院に行きづらい」「そのうち治るだろう」という人も多いのですが、症状を感じたら病院での受診をおすすめします。

また、自己判断による市販薬での治療は絶対に避けましょう。カンジダ性の場合、市販薬での改善は見込めませんし、刺激が強すぎて悪化する恐れもあります。

まずは病院で原因菌を突き止め、適切な治療を行うことが大切です。細菌性の場合、病院で処方された薬をきちんと塗れば、1週間程度で治るケースが多くみられます。

GOETHEメンズクリニックは男性専用の性感染症医院です。

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すぐに不安を解消したいという方は、気軽にご相談ください。

▼亀頭包皮炎についてはこちらの記事でも詳しく解説
https://goethe.clinic/std/issue/balanoposthitis/

宮島 賢也
GOETHEメンズクリニック八重洲院 院長
性感染症は、専門の医師に診察してもらうことが大切です。これからも患者さんから、『ありがとう』『助かったよ』と言ってもらえるような診療を続けていけるよう研鑽してまいります。お気軽にご相談ください。