治らない亀頭包皮炎の治療について解説|どんな薬が効く?治らない理由は?治療の疑問にお答えします

2022.10.31

治らない亀頭包皮炎の治療について解説|どんな薬が効く?治らない理由は?治療の疑問にお答えします

記事監修 岡 淳寿 医師

亀頭包皮炎は、男性器の亀頭部分が赤みを帯び、腫(は)れたり、包皮がむくんだりする病気です。この記事では、亀頭包皮炎の治療方法や治りづらい原因、症状が悪化する要因などについて詳しく解説します

亀頭包皮炎は、男性器の亀頭部分が赤みを帯び、ひどくなると腫(は)れたり、包皮がむくんだり、膿(うみ)が出たりする病気です。デリケートな部位であるために、病院を受診せず、市販薬を使っておけばそのうち治るだろうと安易に考えるのは危険です。

なかには病院で診断を受けて、治療を始めているにもかかわらず、なかなか治らないと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

当記事では、亀頭包皮炎の治療方法や治りづらい原因、症状が悪化する要因などについて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

亀頭包皮炎の治療について

亀頭包皮炎とは、亀頭と包皮の間に細菌が繁殖することで炎症を起こす病気で、しばしば子どももかかることがあります。子どもが亀頭包皮炎にかかるのは、包皮で包まれている(生理的包茎)ため、亀頭と包皮の間にあかやカスがたまりやすいことが主な要因です。

大人の亀頭包皮炎の場合、細菌によるもの(細菌性亀頭包皮炎)と真菌(カンジダ性亀頭包皮炎)によるものが主な原因として挙げられ、混合感染しているケースもあります。

また、炎症を起こしている箇所が亀頭だけの場合は亀頭炎、包皮のみの場合には包皮炎と呼ばれます。亀頭包皮炎の主な治療法は、抗生剤による軟膏(なんこう)塗布です。

強い炎症が見られる場合には、医師の判断により経口の抗生剤投与と併用して治療が行われます。

治らない亀頭包皮炎がある?その理由について

一般的に、亀頭包皮炎は処方された塗り薬をきちんと塗っていれば、1週間程度で治ると言われています。しかし、なかにはなかなか完治しづらいケースがあるのも事実です。

病院を受診せずに放置している場合は論外ですが、病院で診断を受けて、治療を始めているにもかかわらず治りづらい場合には、どのような理由が考えられるのでしょうか。

詳しく見ていきましょう。

お薬が合っていない

第一に、使用している薬が合っていない場合が考えられます。病院に行かずに、自己判断で市販のデリケート部位のかゆみを抑える塗り薬などを使用していませんか。

まずは病院を受診し、医師の判断を仰ぐのが賢明です。とはいえ、真菌性による亀頭包皮炎なのか、カンジダによるものなのかは、とても症状が似ているため医師でも判断は難しいものです。

尿検査や血液検査、培養検査などを行わず、問診と視診のみで判断されて薬を処方された場合は注意が必要ですし、細菌性・カンジダ性の混合感染の場合は非常にやっかいであると言えます。

いずれにしても、それぞれの原因に合わせた適切な薬が必要不可欠です。病院から処方された薬を使用していてもなかなか完治しない場合は、早急に医師に相談しましょう。

細菌性の亀頭包皮炎の治療

細菌性亀頭包皮炎は黄色ブドウ球菌やレンサ球菌、大腸菌などが主な原因菌です。どの菌も常在菌であるため、健康状態の良いときには悪さを起こすことはありません。

しかし、ストレスや疲労などにより免疫力が下がると細菌が繁殖し、亀頭包皮炎を発症するリスクが高まります。

ほかにも包茎や、男性器を不衛生な状態のままにする、糖尿病による血糖値の上昇、男性器の粘膜が傷を負うなどによっても起こりえます。

細菌性による亀頭包皮炎の場合に処方される主な薬は、リンデロンやラミシール、ゲンタシンなどの抗炎症剤です。場合によっては、クラリスやクラビット、フロモックス、オゼックスなどの抗生物質を含む飲み薬を併用するケースもあります。

カンジダ性の亀頭包皮炎の治療

カンジダはいわゆるカビの一種であり、このカビ菌が繁殖することで発症する病気のことを、カンジダ性亀頭包皮炎と言います。

症状としては、亀頭患部の腫れや強いかゆみなどが現れ、皮が剥けたり、黄白色の膿が出たりします。

免疫力が低下したなかでガンジダ膣炎を患っている女性と性交渉すると、発症するリスクが高くなります。

また、亀頭包皮炎については、患部を清潔に保つことが大切ではありますが、せっけんやボディソープを使って洗いすぎることで、かえって悪化させるおそれもあります。

尚、カンジダ性亀頭包皮炎の場合に処方される主な薬は、アスタット軟膏などの抗菌剤塗り薬のほか、キンダベートやグリメシン、その他、ロコイドなどのステロイドが含有されている塗り薬です。

塗り薬と併用する抗真菌内服液が処方される場合もあります。

洗いすぎにより症状が悪化する

亀頭包皮炎の予防には、亀頭部分を清潔に保つことが効果的です。しかし、せっけんやボディソープで必要以上にゴシゴシ洗いすぎると、逆に症状が悪化する可能性が高まります。

特に、カンジダ性亀頭包皮炎については注意が必要です。そもそもカンジタ菌とは常在する菌ですが、亀頭と包皮を清潔にしようとして洗い過ぎると、良い菌がいなくなってしまい、ガンジタ菌だけが残り、余計に症状が悪化する悪循環に陥ってしまうのです。

せっけん類を一切使用せずに、お湯で優しくすすぐようにしましょう。

糖尿病を患っている場合

糖尿病とは、インスリンが十分に働かず、血液中の糖が増えてしまう病気です。糖尿病が万病の元と言われるゆえんは、さまざまな合併症を起こしやすくするためです。

亀頭包皮炎も、そのうちの一つの合併症です。

糖尿病が原因で起こる亀頭包皮炎は、高血糖状態が続くことで、抹消血管の血流が悪くなり、組織の柔軟性が低下し、皮膚が伸びた時にヒビ割れや裂けが生じて発症します。

塗り薬の塗布で症状緩和の期待はできますが、糖尿病の特徴に、体に傷ができると治りにくいということがあります。

このため、亀頭包皮炎にかかりやすく治りにくくなるのです

亀頭包皮炎は人から人にうつります

亀頭包皮炎自体は、性感染症に分類されてはいません。その理由は、亀頭包皮炎の原因菌が常在菌であることと、通常はパートナーに感染させることがないためです。

しかし、亀頭包皮炎の原因菌となり得るカンジダ菌は、女性に多いとされる常在菌です。男性の免疫力低下時にカンジダ膣炎の女性との性行為によって、亀頭包皮炎にかかるリスクが高いと言えます。

性行為以外で亀頭包皮炎になる原因には、包茎の人や洗いすぎで傷がつくことによるもの、自慰行為による感染も挙げられます。

亀頭包皮炎の検査について

亀頭包皮炎であるか否かの診断は、一般的に問診と医師による亀頭と包皮の視診により行われます。細菌性亀頭包皮炎のおそれがある場合、「細菌培養検査」を行い原因菌を特定します。

細菌培養検査では、粘膜の部分や皮膚から恥垢(ちこう)を採取し、適切な環境のもとで増殖させてから、菌の有無、さらには種類を調べるものです。

この検査は、専用設備が必要であることや、菌を一定量に増やすまで何日かの日数を要することなどから、結果が判明するまで数日かかるのが一般的です。

細菌培養検査以外には、「尿検査」「血液検査」があります。尿検査では、出はじめの尿を採取して真菌や細菌への感染有無を調べます。

血液検査では、炎症の程度やヘルペスウイルス抗体の有無、糖尿病による亀頭包皮炎の可能性についても調べます。

症状が出たらはやめに病院を受診しましょう

症状が出ている場所がデリケートな部位であるだけに、恥ずかしくて病院に行きづらい人やそのうち治るだろうと考える人がいるかもしれませんが、早めの受診をおすすめします。

それに加えて、自己判断で市販薬で済まそうとすることについても、絶対に避けたほうが良いでしょう。

カンジダが原因により発症した亀頭包皮炎の場合、市販薬では改善が期待できませんし、また敏感な部位であるため、刺激が強すぎるおそれもあります。

放置した期間が長ければ長いほど症状が悪化してしまい、手術が必要となるケースも出てきます。

原因となる病原体を突き止め、適切な治療を行うことが先決です。GOETHEメンズクリニックでは、尿検査によって病原体(細菌性orガンジダ性)を調べます。

検査結果が出るまでは1日〜1週間程度です。当院は自由診療であるため、ご希望の方には、検査結果が出る前に抗生物質含有の軟膏などの処方が可能です。

すぐにでも治療を開始したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

岡 淳寿
GOETHEメンズクリニック八重洲院 院長
性感染症は、専門の医師に診察してもらうことが大切です。これからも患者さんから、『ありがとう』『助かったよ』と言ってもらえるような診療を続けていけるよう研鑽してまいります。お気軽にご相談ください。
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