ED治療薬は、一部の個人輸入代行サイトでも通販感覚で購入することができます。
クリニックに行くのが恥ずかしい、または治療薬をできるだけ安く手に入れたいとの理由から、需要はかなり大きいと報告されています。
しかし、個人輸入は医師の診察や処方を受けられないので、副作用などの健康被害がどうしても起きやすい、偽造品が多いなど、さまざまなリスクがあります。
通販(個人輸入)は偽物が多い
医療機関以外の不正規ルート(個人輸入など)で入手したED治療薬は、偽造品が多いので注意が必要です。
偽造品は、有効成分の含有量が承認されている容量よりも少ない、全く含有されていない、有害な不純物が混入しているなど、健康被害につながる恐れがあります。
実際に、「意識を失い痙攣を起こした」「目の前が真っ暗になった」「下痢と嘔吐を起こした」「低血糖で昏睡状態になる(死亡者もいます)」といった事例も確認されています。
また、バイアグラを製造販売しているファイザー社、レビトラのバイエル薬品、シアリスの日本新薬、日本イーライリリーの4社が、日本語の個人輸入代行業者のサイトからED治療薬を購入して調査したところ、40%が偽造品でした。
偽造品はどのように作られているか
ED治療薬の偽造品は、おもに中国で作られており、製造現場は不衛生、色を本物に似せるためにプリンターのインクやペンキを使うなど、有毒・有害物質が混入しています。 2016年にはポーランドにある偽バイアグラ工場が摘発されましたが、偽造品の原料は中国産でした。
偽造品はシンガポールやタイ、アメリカなどを経由して日本に輸出されています。
バイアグラ、レビトラ、シアリスといったED治療薬の正規品は、1錠1,000~2,000円ほどで処方されている高価な薬です。偽造品を作れば利幅が大きいこともあり、世界中でもっとも偽物が多い薬ともいわれます。
健康被害があっても救済されない
医師により処方された薬で仮に重い副作用が出た場合には「医薬品副作用被害救済制度」という医療給付金による公的救済制度があります。
しかし、ED治療薬を通販で購入した場合は、副作用や健康被害があっても救済されません(薬が本物でも救済なし)。
万が一のことを考えると、通販にはなかなか手を出しづらいところです。
ED治療薬をインターネットを通して購入することのリスクを説明しましたが、通販の需要が大きいのは事実です。
当院では、1度来院いただけば、2回目以降はスマホで遠隔診療が可能。お薬は全国に郵送することができます(郵便局留めも可)。遠方の方は、出張や旅行のついでに1度お立ち寄りいただければと思います。
また、バイアグラにはジェネリックがあり、効果が同じ国内正規品が1錠380円(税込)から処方できます。個人輸入のリスクを鑑みると、国内正規品のバイアグラジェネリックを使うのがいまは賢い選択かと考えます。