クラミジアの症状や放置するリスク|自然に治る?放置期間が長いと不妊になるって本当?

2022.10.31

クラミジアの症状や放置するリスク|自然に治る?放置期間が長いと不妊になるって本当?

記事監修 岡 淳寿 医師

クラミジア感染症は、例え症状が軽かった場合でも、病気自体が軽いわけではありません。生殖器への感染では、放置によって不妊症になる可能性もあります。この記事では、クラミジアを放置するリスクについて詳しく説明します。

クラミジアとは?

クラミジアとは、クラミジア・トラコマチスという細菌による性感染症で、性行為を介して感染します。銭湯やトイレなどの間接的な接触が感染経路となることは、まずありません。

性器への感染は「性器クラミジア感染症」、喉の場合は「咽頭クラミジア感染症」といいます。男性は、主に尿道に感染しますが、自覚症状が出にくいのが特徴です。

クラミジアは感染者がもっとも多い性病です。とくに10代の女性に多く、2006年に行われた調査では女子高校生の感染が13.1%。風俗店で働く女性にも多いため、風俗店に通う男性は感染リスクが非常に高いといえます。1回の感染率は30%から50%ほどです。

症状

・排尿時の違和感や痛み ・かゆみ ・尿道から膿

かゆみや軽い痛み、排尿時の違和感、透明でさらっとした膿が出るなどの症状が現れます。
自覚症状があまりないのが特徴で、無症状のケースもあります。

クラミジアの市販薬はない

ネット通販の薬はキケン!

クラミジアの薬は医師の処方が必要で、ドラッグストアでは購入できません

海外のサイトなどではクラミジアの治療薬を扱っていますが、自己判断で使用するのはリスクが高いといえます。粗悪品が多く、効果が期待できないどころか、危険な成分によって、症状が悪化するケースも考えられます。

病院で処方された薬を飲むことが、クラミジアを早く効果的に治す近道です。

クラミジアを放置しておくと?

クラミジアを放置すると不妊症になる可能性もある

クラミジア感染症を放置していると、男性では尿道から睾丸へ、女性では膣から子宮や卵管へと感染が拡がっていきます。生殖器への感染を、放置しておくと不妊症になる可能性もあるのです。

クラミジア放置による男性のリスク

放置すると尿道炎や精巣上体炎を経て不妊症になる可能性も

男性の性器に感染すると尿道炎を起こします。尿道炎を放置していると、炎症は精巣上体へと拡がっていきます。精巣上体とは副睾丸のことで、睾丸の後ろ側にあり、精子を貯蔵する器官。精巣上体炎を起こすと、副睾丸に痛みや腫れ、しこりが生じ、発熱することもあります。

さらに精巣上体炎は、男性不妊症の原因になることも。精巣上体の炎症が悪化すると、精子の通り道が塞がったり、精子の活動が悪くなったりしてしまうのです。

クラミジア放置による女性のリスク

放置すると子宮頚管炎や子宮内膜炎、卵管炎を経て不妊症になる可能性がある

クラミジアは、膣から侵入すると子宮頸管(膣と子宮のつなぎめ)に感染して炎症を起こすので、まず子宮頸管炎を発症します。

初期に見られる症状としては、おりものの量が増える、おりものの色がいつもと違う、不正出血があるなど。ただし、女性は男性よりも症状が現れにくく、感染しても半数以上が自覚できないとされています。

子宮頸管炎を放置していると、子宮や卵管、腹膜へと炎症が拡がっていきます。子宮では子宮内膜炎が起こります。症状としては、おりものの異常や不正出血のほか、下腹部痛や発熱などが現れます。

さらに症状が進行すると、炎症は卵管へと拡がり、下腹部痛が強くなっていきます。卵管は子宮と卵巣をつなぐ管。卵子と精子の通り道であり、受精する場所で、ここが詰まると受精できません。つまり、不妊症の原因になる可能性があるということです。

また、炎症によって卵管に異常が生じ、子宮外妊娠を起こすと、母子ともに命の危険にさらされることになります。

咽頭クラミジアを放置した場合のリスク

咽頭クラミジアは喉の痛みや発熱といった症状が出る

オーラルセックスを介して喉に感染すると、咽頭クラミジアになります。初期症状は、喉の痛み発熱など。性器と同じく感染から1~3週間の潜伏期間後に発症しますが、風邪のような症状なので「喉が性病にかかった」と、なかなか自覚できません。

症状が現れればクラミジアとは分からなくとも、病気にかかったこと自体には気づけます。しかし、喉への感染の多くは無症状のため、放置されることが多くなります。

感染が進行すると、炎症は、喉の両脇にある扁桃にも拡がっていきます。これを扁桃炎と言い、扁桃が赤く腫れあがり、白い膿が出るようになります(膿栓)。つばを飲み込むと痛みがあり、発熱する場合もあります。 また20代の人では、上咽頭炎を起こす場合があり、難聴や中耳炎を引き起こす恐れがあります。

目のクラミジアを放置した場合のリスク

クラミジアが目に感染すると充血やむくみ、目やになどの症状が出る

クラミジアに感染した性器に触れた手で目をさわると、目にも感染します。性器や喉への感染とは異なり、目の感染は自覚しやすいのが特徴。

約1週間の潜伏期間を経て、クラミジア性結膜炎を発症するので、まぶたの腫れ、結膜の充血むくみ、ネバネバした目やになどが初期症状として現れます。まぶたの裏側には小さなブツブツができ、時間が経つにつれ肥大します。さらにブツブツに炎症が起きると、充血や目やになどがひどくなっていきます。

また、耳の前のリンパ節が腫れて、痛みがでることも。喉の感染から鼻涙管をつたって目に症状がでることもあります。

HIVなど他の性病にもかかりやすい⁉
クラミジアに感染すると、性器や粘膜が炎症を起こして傷つくため、ほかの性病にも感染しやすくなります。とくにHIVは、感染確率が通常の3~5倍高くなると言われています。

検査と治療

オンライン診療ができる病院も

まず性器クラミジアの感染を調べるために尿検査を行います。検査結果が出るのは30分~1時間後です。咽頭クラミジアは、うがい液で検査します。

治療は飲み薬で行います。1回飲むと効果が1週間続く抗生物質が処方され、2週間後の検査で陰性なら治療は完了です。

自分で検査できる検査キットは注意が必要です。ドラッグストアなどでは販売されていないため、サイト等で取り寄せ、送り返して調べてもらう必要があります。安価なキットは、検査精度が悪い可能性もあります。

クラミジアを早く治すには、病院での受診をおすすめします。

長年放置しがちなクラミジア

放置してしまう理由は、①気づけない、②大丈夫だと思ってしまう、の二つ

クラミジア感染症は、放置され、悪化しがちな性病です。放置されやすい理由は、大きく2つ。

1つは症状が軽く、自覚できないせいで、感染に気づけないため。他の性病と比べ症状が軽く、女性にいたっては、半数以上に自覚症状がないと言われています。

2つめは症状が軽く、治療を途中でやめてしまうことが多いため。異常を感じて治療を始めたものの、症状が軽いことから「もう大丈夫だろう」と自己判断し、治療を中断してしまう場合がこれにあたります。完治しない限り、クラミジアは体内に残っているのですが、本人は治ったつもりでいるケースです。

クラミジアを放置しておくと、不妊症などのリスクが高まります。完治するまで病院で治療することが大切です。

クラミジアは病院に行かないと治りません

クラミジアは自然には治らないのですぐに病院を受診しましょう

クラミジア感染症は放置期間が長くなればなるほど、リスクが高まる病気です。進行してしまうと不妊症になる恐れもあります。

残念ながら、クラミジアが自然治癒することはほぼないですし、市販薬もありません

一方でクラミジア感染症は、病院で正しい治療を受ければ治る病気です。少しでも症状を感じたら、早めに病院に受診しましょう。

GOETHEメンズクリニックは男性専用の性感染症医院です。

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すぐに不安を解消したいという方は、気軽にご相談ください。

岡 淳寿
GOETHEメンズクリニック八重洲院 院長
性感染症は、専門の医師に診察してもらうことが大切です。これからも患者さんから、『ありがとう』『助かったよ』と言ってもらえるような診療を続けていけるよう研鑽してまいります。お気軽にご相談ください。